【詠】の詳細解説

漢字
<span class="bold"><span class="fz-20px">miru</span></span>
miru

詠は、「言+永声」の会意兼形声文字で、本義は声を長く引くこと、歌うことです。今の国語では、和歌をつくる・詩歌を吟じるなどの意味で用いられます。

詠は常用漢字であるため、人名に使うことが可能です。

基本情報

   【常用漢字

  • 総画数:12画
  • 部首:言部(7画)
  • 読み
    • 音読み:ヨウ(呉音)、エイ(漢音)
    • 訓読み:、うた-う、ながめる

字音

「詠」の字音:同系語との比較

漢字(拼音) 中古音(BS) 上古音(BS)
中古音(ZZ) 上古音(ZZ)
詠(yǒng) hjwaengH *[ɢ]ʷraŋ-s
ɦˠwiæŋH *ɢʷraŋs
永(yǒng) hjwængX *[ɢ]ʷraŋʔ
ɦˠwiæŋX *ɢʷraŋʔ
泳(yǒng) hjwængH *[ɢ]ʷraŋ(ʔ)-s
ɦˠwiæŋH *ɢʷraŋs
※BS…Baxter氏とSagart氏による再構音。 ZZ…鄭張尚芳氏による再構音。

字形

※詠の甲骨文・金文は、咏。

金文

西周早期

西周早期
西周晩期
春秋中期

商晩期
商晩期
西周早期

小篆

別体(詠)

解字

『説文解字』巻三「言部」

・詠,歌也。从言永聲。詠或从口。
(詠は歌うなり。言に従い、永声なり。詠はあるいは口に従う。)

その他の古典の記載

『爾雅』「序」・疏

・詠者永言也
(詠は永言するなり。)

「詠」の解字

詠は、「言+永声」の会意兼形声文字

甲骨文・金文は咏の形で、「口+永声」の会意兼形声文字。長いあいだ声をだすこと、歌うことをあらわす。

  • 音符の永[エイ]は、支流の流れこむ長い川の象形で、ながいの意味。
  • 言部は発言の意で、言葉・言論に関わることをあらわす。
  • 口部はくちの象形で、飲食・発声・言葉など口の動作に関わることをあらわす。

字義

詠の本義は、声を長くひく、歌う。

(1)うたう。声を長くひいて歌う。また、詩歌を吟じる。「吟詠」「詠唱」

(2)詩歌をつくる。

(3)うたいほめる。褒めたたえる。「詠嘆」

国訓〈1〉よむ。和歌をつくる。

国訓〈2〉ながめる。詩歌を吟じる。